歴史と文化財

1 本尊

 阿弥陀如来座像 身丈73センチ 伝・恵心僧都作、木造寄せ木作り、銘札なし、胎内物なし、伊藤仁兵衛の寄贈と伝わる

宝泉寺本堂右側のお厨子には、仏像1体、お祖師4体が安置されている。

中央の仏像は、善光寺如来で、今から500年前の仏像。

その右側のお厨子には、善導大師像と法然上人像が安置されている。今回の調査で、制作年代が判明しました。

善導大師像と法然上人像は、元禄9年(1696)に作られています。
寄木作り、玉眼入の極彩色仕上げです。
天保7年(1810)年に一度修復されています。

2 開創

 開創は天文年間中(1532~55)と伝わるが、開山喜叟玄悦上人は天文四年歿のため、また墓地内に大永四年(1524)の宝篋印塔があるため、それ以前にさかのぼることは間違いない。
 また善光寺如来を将来したのが、大永年間であることも、その裏付けとなる。
 また、永正年間の建立の説もあるので、ほぼ500年前のこととなる。


3 伝説

 池麸町は、以前「池之堂町」と「麸屋町」に分かれていた、池之堂の地名は、昔、宝泉寺に池があったので、池のあるお堂ということで、その名が付いたという。別の説では、池を埋め立ててお堂を作ったというのもある。
 弁天堂があるが、これは池の中に建てられるので、おそらく池があったのであろうと推測される。

 山号は来迎山と称していた時期があったが、現在は飛龍山となっている

4 宝物

 一光三尊善光寺如来
 開山上人が信州善光寺に、48度にも及ぶ参詣のあと、善光寺如来本尊前で開眼供養したという分身。春秋彼岸会中日にご開帳を行う。

 観経曼陀羅
 元禄三庚午年 在住月山代(箱書)


5 資料

 過去帳は、天明8年(1788)以降のものがある


6 石造石碑

 五輪塔:大永四年(1524)二月四日 妙春位

 五輪塔:天文九年(1540)六月二十五日 □阿弥陀仏


 歴代住職の墓碑

  開山、5,7,8,9,10、11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24


7 札所

 法然上人尾張二十五霊場第四番札所


8 歴代住職

開山 喜叟玄悦上人 天文四年四月十三日
2 窓覚憲秀上人 元亀四年八月十四日
3 空潔{イ+春}清上人 元和元年十一月二十五日
4 中興 円空春呈上人 寛永十五年八月七日
5 撮道権立上人 正保二年九月二十六日
6 東空存立上人 寛文二年三月二日 過去帳では存立だが、位牌には存正とある。また『津島踊記』には存澄とある
7 徹道絶庵上人 元禄七年五月十二日
8 即空絶玄上人 正徳三年二月六日 過去帳では絶玄だが、當麻曼陀羅箱書きには絶去とある
9 相空普説回仰上人 享保三年三月二十七日 在住21年、庫裏建立
10 乗空観龍上人 享保十一年三月十四日 勢州菰野如来寺より来る、在住8年
11 英空俊人上人 享保十七年三月六日 藤ケ瀬西音寺より来る、在住七年
12 一空唯道煌雲上人碩秀和尚 安永三年十二月二十一日 戸刈西方寺より来る。美濃慈恩寺へ移転。在住十五年、三好満福寺にて死去
13 英空俊諦上人 宝暦三年九月十七日 第九世相空上人の弟子。知多郡甘露院にて死去、当山にて葬る。在住七年
14 麟空瑞典上人 明和五年十二月五日 知多宝樹院より来る(宝暦元年一月十五日)河内安楽寺にて死去
15 遵空義堂上人俊乗和尚 安永五年一月二十日 義堂上人の弟子に寿琳寺第3世乾空大識義運和尚(安永十年一月十八日歿、二十四才)あり
16 瑞空俊朝上人蜜道和尚 安永四年六月朔日 鳴海誓願寺より来る、瑞泉寺恵秀上人の弟子
17 俊空湛堂上人実乗和尚 天明七年七月二十一日 第十五世遵空上人の弟子にして、安永十年二月二十七日丹波粟田郡金華寺より来る、三十七才にて死去。庫裏再建上棟天明五年十一月二十八日、玄関再建上棟天明六年四月十六日
18 兆空瑞堂上人仙岳老和尚 天保二年十月三日 大龍寺第二十二世寛空上人の弟子にして、天明七年十一月二十三日湛堂上人の遺言により二十六才の時、来住せり。在住四十二年。70才。文化元年山門再建上棟十月二十六日、大工吉右衛門
19 万空亀堂上人仙遊老和尚 天保十五年十一月七日 第十八世瑞堂上人の弟子。四十二才にて死去。在住十七年。
20 仙空海静上人昇堂老和尚 安政三年五月二十六日 第十八世瑞堂上人の弟子。天保十五年十一月二十九日藤ケ瀬西音寺より移る。四十四才にて死去。在住十三年。本堂再建上棟嘉永二年、入仏供養同年十月十六日大工吉助
21 潮空音静上人寂然老和尚 明治十二年六月二十七日
22 江空漢静上人遵孝和尚 明治六年十一月一日
23 信空順道上人昇月老和尚 大正二年一月二十四日 第二十世仙空上人の弟子にして、京都無量寿院の住職となる。漢静上人遷化により明治六年より住職。七十二才にて死去。在住三十八年。
24 仁空礼道上人諦念老和尚 昭和十九年三月二十一日 第二十三世信空上人の弟子。在住三十四年。五十八才にて死去
25 恭空順一上人 昭和二十二年四月 第二十四世禮道上人の子。在住五十八年。
26 敬空信道 平成十七年十一月三日晋山

文化財

寶泉寺書院(旧服部邸書院)国登録文化財 こちらをご覧ください   宝泉寺の庭園は、尾張の庭園の持つ特徴が表れています。それは、自己主張をしない大人しい庭です。一見、何ともないのですが、でも日々 一緒に暮らすには、疲れない庭です。見る人に、落ち着きと安らぎを与えてくれる庭園です